組手を上達させるためのFAQ

相手の攻撃をうまく避けられないのですが、どうすればいいですか?

避けるには「反応力」より「予測と準備」が大事です。

  • 予測する癖をつける
     → 相手の構え、目線、重心の位置を見て、「来そうな技」を予測します。
  • 1回で避けようとしない
     → 一発を完璧にかわすのは難しいので、「まず位置をずらす」「距離を取る」など段階的に避ける。
  • 小さく避ける
     → 大きく動くと逆に間に合いません。最小限でスッとよける動きを磨きましょう。

例: パンチは“避ける”よりも“ずらす”方が成功しやすいです。

自分より体格の大きな相手と戦うときのコツは何ですか?

体格差を逆手に取りましょう!

  • スピードとタイミングを活かす
     → 大きな相手は動きが大きくなりがち。間合いを一瞬で詰める/外す技術が有効です。
  • 遠くから無理に突っ込まない
     → 重たい攻撃をもらいやすくなります。相手の攻撃を外してカウンターを狙う戦術が有利。
  • ボディ狙いとフェイントで揺さぶる
     → 顔よりお腹(体の中心)を攻める方が嫌がられることが多いです。

考え方: 「スピードとパワーで勝つ」ではなく「相手のタイミングをずらして勝つ」

スピードを上げるために意識すべきポイントは何ですか?

速さは筋力だけじゃありません。

  • 「脱力」して動く
     → 力んでいるとスピードが落ちます。瞬間だけ力を使う=キレのある動きが出せます。
  • 次の動きを「先にイメージ」しておく
     → 頭の中でシミュレーションしておくと、無駄な動きが減って速くなる。
  • 体幹で動く練習をする
     → 腕や脚だけではなく、体の中心から動くと自然とスピードが出ます。

おすすめ練習: ゆっくりな技を正確に繰り返す「スローモーション稽古」でフォームを整える。

相手の攻撃を受けた後、すぐに反撃するタイミングがつかめません…

反撃のタイミングには「リズム」がカギ。

  • 相手が「打ち終わった瞬間」を狙う
     → 攻撃したあとは、相手の動きが一瞬止まるので、そこを狙う。
  • 相手のリズムをずらす工夫を
     → たとえばワンテンポ遅らせて攻撃したり、逆に速い連打でリズムを崩すなど。
  • まずは「反撃の型」を決めておく
     → 「受けたら○○を返す」と決めておくと、迷いがなくなり反応が速くなります。

ポイント: 実は「反撃が遅れる」のではなく、「反撃しようか迷っている」ことが多いんです。

試合になると緊張して動きが硬くなるのを防ぐには?

これは空手だけでなく、あらゆる競技に共通の悩みですね。

  • 深呼吸+軽く体を動かす
     → 呼吸を整えて、軽くその場で体を揺らしたり跳ねたりすると、緊張が抜けやすくなります。
  • 「うまくやろう」より「いつも通り」に集中する
     → 結果を意識すると体が固まります。「1つ目の技を決めること」だけに集中しましょう。
  • 稽古中に「緊張状態」を作っておく
     → あえて周囲に見られる環境で稽古をしたり、タイマーを使って時間制限で動く練習が効果的です。

アドバイス: 緊張は悪いものではありません。「気合いに変える力」がつけば、試合が楽しくなりますよ!

この記事を書いた人

1977年生まれ。岐阜県出身。3才から空手を始める。愛知大学空手道部OB(平成11年度卒)。大学卒業後、JICA協力隊に参加し、南米のボリビア共和国に派遣される。首都ラ・パスにある国家警察学校の武道教官として学生に空手を指導。警察署、機動隊、要人警護隊、日本大使館への空手と護身術の巡回指導も行う。帰国後は、JICAの短期派遣にて、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに派遣され空手道の指導に当たる。武道としての空手道、スポーツとしての空手道を研究し、道場で指導中。