標高3,650mで「高山病」と戦いながら空手の指導!って、どんな感じ・・・?

花村先生は、昔、南米のボリビア共和国のラ・パスという標高がとっても高いところで空手を教えていたんです。

どのぐらい標高が高いかっていうと、富士山と同じくらい高いんです。

そんな高いところで生活すると病気というか、症状が出るんです。

「高山病」っていう。

「高山病」 って聞いたことあります?

これ、ただの疲れとか眠気じゃないんです。

「酸素が薄いってこういうことか!!」 って、体で実感できる最高の体験だったんです(笑)。

高山病ってどんな感じ?

まず、ラ・パスに降り立った瞬間、こう思います。

「あれ? なんか息がしづらくないか?」

そう、ここ 標高3,650メートル ですから…空気が薄いんです。

普通の街みたいに歩こうとすると…

「ん? ちょっと待てよ…?」

次の瞬間、「ゼェゼェ…ハァハァ…」

いやいやいや、まだ50メートルも歩いてないよ!?

それでも、「まあ大丈夫だな!」なんて思ってると、次の症状がやってきます。

よくある高山病の症状

① 頭がガンガンする

酸素不足で頭痛がするんです。激しく動くと、さらにパワーアップします。

体も重いし。。。まるで、「100kgのリャマが頭に乗っかってるんじゃないか!?」 っていうくらいの重さ

「えっ、もしかして二日酔い?」って思うぐらいなんですけど、違うんです。酸素が足りないだけ!

② なんか…眠い…

高山病のせいで、「めちゃくちゃ眠いのに、全然眠れない!」 という謎の現象が起こるんです。

布団に入っても、「あれ? 呼吸ってこんなに難しかったっけ?」みたいな感じ。

2年間ここで生活して深く眠れたことはなくて、いつも眠りが浅いので寝起きは絶好調!でした。

「空気が思う存分吸えた夢」をよく見ていたことを思い出します。

③ ちょっと動くだけで心臓バクバク

「ちょっとそのへんのスーパーまで歩こうかな?」って思ったら、もう大変!

普通の坂道が 「エベレスト級の試練」 に感じます。「このまま行くと、心臓が先にラ・パスを脱出しちゃうんじゃないか?」ってくらいバクバクします。

滞在中に標高5,280mの山に登ってみたら、息ができずに心臓が胸から飛び出るぐらいバクバクして、意識が朦朧としてこれはヤバイと危機感を感じました。

エベレストに登る人たちは、本当にすごいですね。

④ 食欲がなくなる(でもお腹は減る)!

「お腹は空いたけど、なんか食べたくない…」っていう謎の状態になります。

でも、ボリビアのソウルフード 「サルテーニャ(肉汁たっぷりエンパナーダ)」 を目の前にすると…

「…食べるしかない!!」

で、食べる → でも気持ち悪くなる(消化不良) → 「やっぱりやめとけばよかった…」のループ。

ちょっとの量で結構お腹が一杯になるんです。

あと、標高の関係でちょっとのアルコールで酔ってしまうので、低地みたいに調子に乗ってガブガブ飲むと地球ってものすごいスピードで回ってるんだな!っていうのが実感できます(笑)

そのあとは悪酔いで気分が悪くなって、イグアスの滝のように嘔吐しなければならないという荒行が待っているので、お酒を飲む時は注意が必要でした。

どうしたら高山病にならないの?

こればっかりは 「経験者は語る」 って感じなんですけど、予防策はあるんです。

1. ゆっくり動く

(でも、つい普通に歩いてしまう → そしてゼェゼェする)

2. 水をたくさん飲む

(でも、トイレが近くなる → そしてまた歩くのがツラい)

3. コカ茶を飲む

(現地のおばあちゃんが「これ飲めば元気になるよ!」って言うけど、味がちょっとクセ強め)

4. 初日は寝る

(でも、高山病のせいで寝れない → そして朝起きたら余計にキツい)

まとめ・ 高山病のリアルな体験談

ラ・パスに降り立った瞬間、「えっ、オレ、年取った?」って思うくらい動けなくなる

ちょっと歩くだけで「酸素ちょうだい!」ってなる

リャマが頭に乗っかってるくらい頭も体も重い

お腹は減るけど食欲はない。でも美味しそうなものを見ると食べたくなる → そして後悔。。。

コカ茶は救世主のような気がする(ただしクセがある)

こんな感じで2年間、高山病と戦いながら生活していたんですね。

高地トレーニングだ!!と思って頑張りましたが、高地トレーニングは標高1,500m〜3,000mまでらしく、それ以上は身体に悪いんですって。。。(涙)

この記事を書いた人

1977年生まれ。岐阜県出身。3才から空手を始める。愛知大学空手道部OB(平成11年度卒)。大学卒業後、JICA協力隊に参加し、南米のボリビア共和国に派遣される。首都ラ・パスにある国家警察学校の武道教官として学生に空手を指導。警察署、機動隊、要人警護隊、日本大使館への空手と護身術の巡回指導も行う。帰国後は、JICAの短期派遣にて、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに派遣され空手道の指導に当たる。武道としての空手道、スポーツとしての空手道を研究し、道場で指導中。