身体を上手に使うためのFAQ

体の使い方に関するこの5つの疑問に、空手の稽古にすぐ活かせるように、わかりやすくお答えしていきます!

1. 肩に力が入りすぎてしまうのですが、どうすれば脱力できますか?

多くの人が悩むポイント

「拳に力を入れる」=「肩に力が入る」ではない
 → 拳だけキュッと締めればいいのに、つい肩までギュッとなってしまうんです。

動きの中で「フッ」と息を吐く
 → 息を吐くと自然に肩の力が抜けやすくなります。突きの瞬間に「フゥッ!」と出すと効果的。

「肩を落とす」意識より、「肘を下げる」意識を持つと自然に抜ける
 → 肩に意識があると逆に力みます。肘を下に向けると、肩がストンと落ちやすいです。

ワンポイント練習法: 鏡の前で「肩をすくめてからストンと落とす」練習をして感覚を掴みましょう。

2. 空手に必要な柔軟性を高めるにはどんなストレッチをすればいいですか?

空手に特化した柔軟性は、「動ける柔らかさ(=動的柔軟)」

① 足を高く上げるための柔軟性(股関節・ハムストリング)
 → 前屈・開脚・足上げ(動的ストレッチ)が有効。

②回し蹴りや横蹴りで使う腰・骨盤周りの柔軟性
 → 「股関節の外旋・内旋」ストレッチ、「骨盤回し」が効果的。

③ 上半身は肩甲骨と脊柱まわり
 → 背中を丸めたり反らしたり、肩甲骨を動かすエクササイズで突きの伸びも改善されます。

ポイント: 稽古前→動的ストレッチ/稽古後→静的ストレッチの使い分けが効果的!

3. スタミナ切れしないようにするためのトレーニング方法はありますか?

空手のスタミナ=「動き続けられる体力+集中力の維持力」

サーキットトレーニング(短時間で高強度の動作を繰り返す)
 → シャドー、ジャンプ、腕立て、蹴りなどを休まず続けて交互に行う。

ミット打ち×インターバル走の組み合わせ
 → 実際の試合時間を想定して、「1分動いて30秒休む」など心肺機能を高める訓練が有効。

日々の基礎体力作り(軽いランニングや縄跳び)
 → 地道ですが、これが一番効きます!

アドバイス: スタミナは「技の正確さ」にも直結します。疲れてもフォームが崩れない身体づくりが大事!

4. 軸を安定させるにはどこを意識すればいいですか?

安定した軸とは、「ぶれない体幹」と「地面とのつながり」

「おへそ」の向きと位置をコントロールする
 → おへそ=体の中心。この向きを正しく保つと、自然と軸が整います。

「足の親指の付け根(母趾球)」で地面をつかむ意識
 → 軸が安定している人は、足裏感覚がしっかりしているんです。

体幹トレーニング(プランクなど)で軸を作る
 → 見えないけれど、ここが「見える強さ」になります。

コツ: 片足立ちで突きを打ってもグラつかない練習が、軸の確認になります。

5. 足の力をもっと効率よく使うにはどうすればいいですか?

足の力は「地面からのエネルギー」をどれだけ上半身に伝えられるかがカギ

「地面を蹴る感覚」を磨く
 → 後ろ足でしっかり床を押すことで、突きや蹴りにパワーが乗ります。

足→腰→手という「連動性」を意識する
 → 足だけの力じゃない、足から始まる「力の流れ」を整えることが大事。

スクワットやジャンプ系トレーニングで足腰のバネを鍛える
 → 「蹴って戻る」までを意識した練習が効果的です。

例: ミットを使って、後ろ足を蹴り出しての逆突きを繰り返すと、自然と連動が身につきます。

この記事を書いた人

1977年生まれ。岐阜県出身。3才から空手を始める。愛知大学空手道部OB(平成11年度卒)。大学卒業後、JICA協力隊に参加し、南米のボリビア共和国に派遣される。首都ラ・パスにある国家警察学校の武道教官として学生に空手を指導。警察署、機動隊、要人警護隊、日本大使館への空手と護身術の巡回指導も行う。帰国後は、JICAの短期派遣にて、ラオス、スリランカ、エルサルバドル、フィジーに派遣され空手道の指導に当たる。武道としての空手道、スポーツとしての空手道を研究し、道場で指導中。